ゆるっと蔵出しフォト

走ってきたからこそ見える風景

通りすがりの、静かな祈り

夕暮れ時、川沿いの道を歩いていると、

どこからかほのかにお線香の香りが漂ってきました。

ふと視線を川辺に向けると、

数人の方が静かに灯篭流しの準備をしているところでした。

木の枠に和紙を張った灯篭が、ひとつひとつ丁寧に並べられていて、

そのやさしい灯りが、まだ明るさの残る空の下でどこか懐かしく、

心に沁みました。

お盆の夕べ。帰ってくるご先祖さまを迎え、

静かに見送るその時間に、

そっと立ち会わせてもらったような気がして、

足を止めてしばらく見守っていました。