
「万灯祭(まんとうさい)」という灯りのおまつりが開かれています。
境内いっぱいに並んだたくさんの灯籠に明かりが灯ると、なんとも言えない
幻想的な景色が広がります。
夕方、少しずつあたりが暗くなっていくなかで、
ひとつずつ灯籠に明かりがともされていきます。本堂へと続く階段や参道には、
やさしい光が並び、まるで光の道を歩いているような気分に。
灯りに照らされたお寺のたたずまいもとても美しくて、
つい立ち止まって見とれてしまいました。
灯籠の光はどこか懐かしくて、ぼんやり眺めているだけで、
気持ちがすーっと落ち着いてきます。小さなお子さんの手を引く家族連れや、
カメラで思い出を残す人たち、それぞれがこの特別な夜を楽しんでいました。
本堂の前では手を合わせて静かに祈る方もいて、灯籠の一つひとつに、
誰かの想いや願いが込められているんだな…と、あたたかい気持ちになりました。
法多山といえば「厄除けだんご」が有名ですが、
万灯祭の日に訪れると、ふだんとはまたちがう、
しっとりとした雰囲気を味わうことができます。
灯りを見ながらいただく冷たい甘味や、境内に並ぶ屋台のにぎわいも、
夏の楽しい思い出になりますよ。