ゆるっと蔵出しフォト

走ってきたからこそ見える風景

幻想的な夏の夜 ― 法多山の灯籠まつりに心癒されて

静岡県袋井市にある法多山尊永寺では、毎年夏の夜に

「万灯祭(まんとうさい)」という灯りのおまつりが開かれています。

境内いっぱいに並んだたくさんの灯籠に明かりが灯ると、なんとも言えない

幻想的な景色が広がります。

夕方、少しずつあたりが暗くなっていくなかで、

ひとつずつ灯籠に明かりがともされていきます。本堂へと続く階段や参道には、

やさしい光が並び、まるで光の道を歩いているような気分に。

灯りに照らされたお寺のたたずまいもとても美しくて、

つい立ち止まって見とれてしまいました。

灯籠の光はどこか懐かしくて、ぼんやり眺めているだけで、

気持ちがすーっと落ち着いてきます。小さなお子さんの手を引く家族連れや、

カメラで思い出を残す人たち、それぞれがこの特別な夜を楽しんでいました。

本堂の前では手を合わせて静かに祈る方もいて、灯籠の一つひとつに、

誰かの想いや願いが込められているんだな…と、あたたかい気持ちになりました。

法多山といえば「厄除けだんご」が有名ですが、

万灯祭の日に訪れると、ふだんとはまたちがう、

しっとりとした雰囲気を味わうことができます。

灯りを見ながらいただく冷たい甘味や、境内に並ぶ屋台のにぎわいも、

夏の楽しい思い出になりますよ。